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権堂 千栄実 | 仕事の可視化コンサルタント

権堂 千栄実 | 仕事の可視化コンサルタント

研修だけでは、企業の本当の課題に向き合えない

──『仕事の可視化コンサルタント』として活動する権堂さんですが、
元々は研修講師だったとのこと。どんな経緯があったのかまずは教えてください。

はい。元々は、長年企業研修講師として活動していました。
しかし、企業から依頼があっても携わらせていただくのは、長くても半年ほど。
通常であれば、1日や2日くらいでそれ以上関わることはほとんどありませんでした。

課題解決のために研修をしても、短期間だからかこれまでの体制から払拭できず、
活かしきれないもどかしさを抱えていたのです。

そこでは私は企業研修講師から『業務改善のコンサルタント』と肩書きを変えて、
企業の悩みを抜本的に解決する役割を担おうと決めました。

──ちなみに企業の悩みって具体的にどんなものがあったのでしょうか?

たくさんの企業と携わらせて頂いていると、共通する課題が見えてきました。
特に、社員を複数人抱えている企業で多かったのが、人材育成に関することでした。

企業規模を問わず、業務が複雑化している場合、ノウハウのストックがかなり溜まっています。
しかし、その情報やマニュア
ルを探したいときにいつでも見返せる環境がなかったのです。

──確かに、企業によっては分厚いマニュアル本がありますが、常に手元にあるわけではないですからね。

例えば身近な例で言うと、飲食店で掃除の仕方を新人に教える機会があります。
教えられたその日ならすぐに実行できるかもしれませんが、
何日もシフトに入っていないとやり方を忘れてしまいます。
業務の一つひとつをメモしていたとしても、どのページに何が書いてあるのかを検索するのも一苦労です。

飲食店ならば、まだ馴染みがあると思います。
ただ、それがITの分野や建築業、製造業など
業界人でも分からないことがあると、社員は困惑してしまいます。

毎回、社長や幹部がこと細く教えれば解決されるかもしれませんが、
時間的拘束も強いられ、教え方も人によっては統一性がないこともあります。
そんな課題があることを知りました。

──私も昔飲食店で働いていたことがあるので分かります。
営業中に必死にメモを取るのでぐちゃぐちゃになります(笑)。

そうだったんですね(笑)。

比較的覚えやすい仕事はもちろん、
複雑な仕事でも現場では口頭での指導が多かったりします。
今の時代は違うかもしれませんが、メモを取ることを許されなかったり
(見て盗めと言われていたこともありましたね)
そうでなくても、走り書きのメモだと正確に思い返すのも難しかったりします。

だから、仕事を覚えやすくする仕組み作りを主流にした
業務改善コンサルタントという形に移行していったのです。

──確かに、仕事を覚えやすくする仕組みが出来上がれば、社員も指導者側の負担も軽減できそうですね。

そんな課題を垣間見たとき、たまたまクラウドの開発を行なっている方と出会いました。
一つひとつの業務を細分化したものをクラウド上にUPすることで、
いつでも誰でも、すぐに検索がかけられて解決できる術が実現できたのです。

実はこの業務を細分化するというスキルは、
以前働いていた場でマニュアル作りをしていたことが活かされています。

人材育成現場は常に変化しているからこそ、改革を

──ではなぜ業務改善コンサルタントという肩書きから
今の『仕事の可視化コンサルタント』になったのでしょうか?

実際のところコンサルティングを施したとしても
社内体質の抜本的な改善には結びつかなかったのです。

というのも、企業の課題がお客様自身も見えづらいと言うところがあったのです。
1日のうちで、経営者や幹部、社員一人ひとりがどんな作業・実務を
行なっているのかを細かく可視化することで、課題が浮上してきます。
もっと効率的にできることはあるか?このタスクは外注できるのではないか?というように。

──企業が抱えている課題に直結する名称を名乗って、
より分かりやすくしたのですね。まさに自分自身を可視化した、という感じですね。

そうですね。ただ、だからと言って名称を変えただけでは説得力も欠けてしまいます。
これまでの経験を活かしつつ、反省点と向き合うために
2019年に立教大学の21世紀社会デザイン研究所に入学しました。
そこでは社会組織理論やグローバルリスクガバナンスなど
非営利組織の経営と現代社会の危機管理を学ぶカリキュラムがあり、私にとって最も必要な学問でした。

産業構造や人材育成の変化が昭和の時代と今とでは
大きく変わっているにも関わらず経営の現場が旧態依然のまま。
改めて仕事を覚えるためには資格資料を使った育成が必要だと思い、現在に至ったのです。

──ありがとうございます。ちなみに、特にどんな方にお力添えできるでしょうか?

ベンチャー企業で、いわゆるイケイケな会社さんです。
共通するのは、社内のルールが整っていないこと
制度が確立されていないということ。
入った分だけ社員が辞めてしまうと生産性も落ちてしまいます。

今は、昔と比べて人材に困ればすぐに採用できる時代ではなくなりました。
今、活躍している社員を育て、定着させていく土台を作っていくことがとても大切です。
それに、業務の可視化ができていれば、入社したての人でも
即戦力にもなり得るので、多くの企業に導入していただきたいと思っています。

社内ルールを整えながら、マネージャーとして活躍できる社員が育成できれば
企業にとっての財産になります。そのやり方が分からないと悩んでいる人が多いので
キーマンを育てるために、まずは業務の可視化からお手伝いできればと思っています。

──権堂さん、ありがとうございました!

【 以下のお悩みを抱える方のお力になれます 】

1:人材を採用しても3年以内で辞めてしまう
2:管理職に指導を任せているが、なかなか機能しない
3:管理職の指導が新人に通用していない

【 提供している価値 】

1:人材が定着するだけでなく、業務範囲が広がり、収益の増収
2:人材に関する悩みの軽減
3:義効率化、コストやリスクの削減

プロフィール:

1964年4月 宮城県石巻市生まれ 高校を卒業後、事務職から数回の転職後
1989年7月 日本ソフトバンク(現ソフトバンク株式会社)入社 営業事務で勤務
1994年1月 日本ソフトバンク退社後 パソコンのインストラクターとして活動
1998年10月 結婚を機に福岡へ転居 翌年 長女 出産
2000年1月 派遣スタッフとしてパソコンのインストラクターとして仕事復帰
2003年3月 株式会社大塚商会 J-PHONE⇒Vodafone⇒SoftBankMobileのブランド移行時の研修プロジェクトに参加。
2008年2月 株式会社Campanula 設立
2010年1月 新規事業 Jobstudy.jp事業(教育CSR事業)を開始
2011年2月 中小企業サポートネットワーク(略称スモールサン)キャリア構築プロデューサーとして活動に参加
全国のスモールサン会員(経営者)の勉強会「ゼミ」にてキャリアに関する講義を担当
2014年2月 Jobstudy.jpの取り組みが経済産業省主催
第四回キャリア教育アワード 地域企業協働の部 優秀賞受賞
2015年8月  九州初 キャリア教育コーディネーター養成講座 育成機関認定
2019年4月 立教大学 21世紀社会デザイン研究所 入学 (社会人向け大学院)
2021年3月 立教大学 21世紀社会デザイン研究所 卒業

修士論文のテーマ

「キャリア教育の支援活動がもたらす中小企業の社員に関する学びの研究
~キャリア教育と越境による学習の関連性についての考察~」

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