巷のWEBメディアに掲載されているようなインタビュー記事でもなく、自費・商業出版とも異なり、文体のテイストが特徴的なのがライフストーリー小説。
小説と聞けば、普通は書店に並ぶ娯楽としての本(出版物)を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、ライフストーリー小説は大衆向けの娯楽作品ではなく、これまでの小説の在り方とは一線を画しています。
本記事では、そのサービスが誕生した背景をお伝えしていきます。
構想のきっかけは、伝わらない自己紹介
そもそものきっかけは、個人事業主や経営者の自己紹介の仕方でした。
彼らは一会社員よりも人との出会いが多く、自己PRをする機会は多いです。
しかし、その話し方や伝え方がやや単調で、聞く側の心に響かないケースがありました。
今でこそ、「ストーリー」が着目されていますが、誰もが想いやストーリーと聞くと、「自伝」になるような大それたものを想像する方がいます。ですが、そうではなく、自分が新たな道を進もうという覚悟の瞬間・きっかけ・原体験を切り取るだけでストーリーとして語れる土台は完成されます。あとはストーリーにまつわる人生経験という名のパズルを組み立てる作業になります。
「語り方・伝え方」さえ理解できれば、数分の……いや、例え1分間の自己紹介で、人の心を動かすことのできるストーリーが出来上がるのです。しかし、ほとんどの人が自分の経験を客観視しづらいため「大した人生を歩んでいない」と思い込んでしまいがちです。
その割には、じっくり時間をかけて話を聞いてみると、それこそ本にできそうな人生を歩んでいる人もいます。自分自身では分からなくても、聞き手は案外前のめりで話を聞いてくれることもあるのです。
確かに単調な自己紹介では、惹きつけることはできません。
ですが、起業しよう!と思ったきっかけ・経緯や原体験の話し方の順序の整理や工夫さえすればあなた自身の魅力は伝わるのです。
と、ここではそう伝えられたとしても、多くの経営者が自己紹介、想いや原体験の言語化に苦戦していたことを知り、サポートできるサービスがあれば喜んでもらえるのではないかと思ったのが構想のきっかけです。
自慢話ほど聞きたくないものはない
言語化するサービスは、世の中にごまんとあり、それこそWEB上の社長インタビュー記事を目にする方も多いでしょう。今は減ったかもしれませんが、ライフストーリー小説が誕生する前後で展開されていたウェブメディアに掲載されていたものは、「自慢話」のようなものが目立っていた印象を抱きました。
対面の自己紹介もそうですが、自慢話をされると良い気分はしないですよね。
文章も同じです。
「俺、すごいこと経験してきたんだぜ」
と、鼻につくような雰囲気を感じ取ってしまったらあまり好ましいとは思いません。
それに、そういう媒体に掲載されている方は、そうそうたる実績を持つ人ばかり。
まだ起業したての人が載るにはややハードルが高いです。
言語化するのが苦手なのに、メディアで取り上げてもらうまで時間がかかることも分かりました。
また、自分自身のことを知ってもらう一つの手段としてオーソドックスに出版についても調べましたが、ウェブメディア以上に大変です。
自費出版をするとなれば数百万の経費が発生。商業出版も本を出せるほどの実績がなければ難しい。それに出したところで、読み切るまで時間がかかり、その人自身を理解するのが大変です。
ウェブメディアにあるインタビュー記事でもなく、出版でもないちょうど間に位置する商品設計ができれば……というのが次に考えたきっかけでした。
経営者が買いたくなる3つのモノ
自己紹介のアウトプットの仕方を映像や漫画ではなく、「小説」にしたのは、単純にその表現にこだわっていたからです。これまで小説は娯楽作品として世に出回っていました。ですが、何か別の形で価値をつけられたらと思っていました。
模索していたある日。
まずはそもそも、経営者や事業主はどんなものであれば購入するのかを考えました。
そこで結論づけたのは以下の3つでした。
- 売り上げが上がるもの
- 採用につながるもの
- 経費削減
小説という言葉の表現の中に③以外の売り上げが上がるもの、採用につながる要素を組み込めば売れるのではないかという仮説を立てました。
それが自慢話が載っているものでもなく
読み終わるまで何時間もかかるものでもなく
その人の想いや理念、魅力が伝わる自己紹介ツールを
読み応えのある文章で表現できたら面白いのではないか。
と行き着いた結果、生まれたのが「ライフストーリー小説」でした。
10分で読める短編小説と銘打って、販促物としての効力を持たせた小説を2017年にリリースさせました。出版するのではなく、メディアに載せるのではなくあえて「小冊子」として究極の自己紹介ツールの役割を持たせることになりました。
2020年の現在は、時代の変化と新型コロナウィルスによる情勢の大きな変化に伴いウェブメディアをリリース。小冊子でもウェブでもどちらでも見られるよう、バージョンアップさせてこれからも展開を拡大させていきます。